ひとめぼれから手仕事に。自分色の伝統工芸。
張子に恋をして、自ら作り始め、現在張子教室なども行なっている田中美保さんに張子の魅力を取材しました。

偶然の出会いと素直な気持ち
-張子と出会ったきっかけは?
広島に旅行に行った時に、宮島張子に出会ったのがきっかけです。その時に、「すげーかわいい!」って感動したのと同時に、「作りたい!」って思っちゃったんです。笑
それまでは、木版画を勉強していたんです。早速張子の作り方を調べてみたら、同じような材料を使うことがわかって、それなら新しく一式揃えなくてもできるんじゃないかな、と思ったのがきっかけでした。本当に偶然なんですけどね。
最初は趣味程度に始めたんですが、昨年のYES,BECKEN!!に出店したのをきっかけに、Instagramのフォローが増えて、店舗において欲しい、といった問い合わせをいただくことになって本格的に事業というか、作り始めました。

独学で自分の可愛いを作る。
-張子はどんなふうに勉強したんですか?
あまり大きな声で言えないかもしれないですが、ほぼ独学ですね。笑
Youtube、書籍や張子に関する記事、同じ張子作家さんのお話を聞いたりして、張子の作り方を調べて勉強しました。
張子って歴史は古くて、大元はメソポタミアから中国に伝わって、それから日本に来て、日本ではじめての張子が、起き上がり小法師と言われてますね。(※諸説あり)
有名なものでいくと、福島県の赤べことか長崎のランタンも張子ですね。
ちなみに私は、招き猫、だるま、干支とかが多くて、最近はお寿司とかおにぎりちゃんとか作ってます。
縁起物とお部屋のインテリアになるようなものを作ってて、お寿司とかおにぎりちゃんとかは、自分が好きで、“かわいいな”と思って作り始めました。笑
私の張子は、「手のひらサイズ」「丸っこい」っていうのを心がけてます。
あと、「目が合った時に“へへッ!”って思わず笑みが溢れるようなデザイン」というのが好きですね。笑
丸っこくて、見てたらこの子達(張子)可愛くて。笑
作る際に心がけてはいるけど、いざ作っていると少し大きくなったり、和紙の貼り具合で表情が少し変わったりして、1個1個違ってくるのが作ってて面白いです。
土台から和紙をパカッとふたつに割る「型抜き」の瞬間が好きです。それをしたいがためにやってると言っても過言でないくらいです。笑
(補足)張子ができるまでに、①粘土での型作り ②和紙の貼付 ③乾燥と型抜き ④下地を塗る ⑤絵付け と大きく4つの工程に分かれています。

広がる世界。改めて知る良さ。
-最近は張子教室も始めたそうですね。
そうなんです。元々予定はなかったんですが、張子を買ってくれたお客さんから、
「(張子)教室はしないの?」
と聞かれて、「やりましょう!」と二つ返事で始まりました。
6回で1つを完成させるなら教室で、ありがたいことに現在10名ほどが教室に通ってくれています。
この教室だとありがたいことに、ものづくりが好きな人が参加してくれてて、それぞれの個性を楽しむことができます。
工作でも絵画でもないのが張子かな、と最近感じてて、工作も絵を描くのも好きな自分には合ってるな、と最近改めて感じてます。
それと、二次元的な絵より、立体の三次元的な絵を描く方が自分は好きなんだ、ってことに気づきました。そういう意味では張子はすごく自分に合ってるな、って思います。

少しずつ広がる。
-美保さんの張子にはどこで出会えますか?
おかげさまで、日田市内で4か所、湯布院のギャラリー、別府のお店で販売させてもらってます。工程もあるし、全部手仕事なので、月50個くらいが限界ですけど、気に入って手に取ってもらい、“へへへッ”と和やかな気持ちになってもらえると嬉しいです。
たなかみほ木版張子工房










